肝炎型アデノウイルス感染と思われる発生

2023/8月頃から九州方面で急性もしくは亜急性の経過で死亡する伝染病が出ております。特徴は元気がなくなり、餌を食べずに死ぬというもので、痩せている場合とそうでもない場合があります。

発生の特徴

①通常の下痢を伴うアデノウイルス感染症が出ていなかった鳩舎。
②昨年から今年にかけて輸入鳩を導入した鳩舎(国内で飼育された輸入鳩ではなく、輸入後導入された鳩。
③下痢は通常のアデノ感染のように見られないこともあります。
④経過が急性で、抗生物質などを投与しても効果がでない。

対策

現在のところ特にありません。二次感染防止のための抗生物質投与はしても良いかもしれません。
こういった症状が出た鳩舎の方は、他の鳩舎に出入りしないでください。

注意する事

通常のパコマやアストップなどの消毒薬はアデノウイルスには全く効きません。
塩素 系消毒薬は有効です。

鶏との関係

レース鳩のアデノウイルスは元々鶏のアデノウイルスが鳩に写ってきたものと考えられています。
鶏のアデノウイルス(FAV)はAviadenovirus属に属し、12の血清型に分類されます。FAV感染症の病型は単一ではなく複数の病型(封入体肝炎、アデノウイルス性筋胃びらん、心膜水腫症候群)があります。感染経路として、糞便中に排出されたウイルスの経口感染、または介卵感染が知られています。

鳩の感染では多くの症例が胃腸炎を主張とし、大腸菌やサルモネラ菌感染の二次感染を起こして下痢と痩せで衰弱死します。
胃腸機能を低下させるので、食べた餌が消化できずにそ嚢にたまり、嘔吐をします。(ソノウ自体の病気ではありません)
封入体肝炎を起こす場合はかなり急激で何をしても回復しないという特徴があります。

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