アデノウイルス感染のご相談が広域の地域から来ております。
発症のきっかけは鳩舎により異なりますが、ほぼ共通しています。
①個人訓練を30Km~50Km程度実施時に当日期間が著しく悪く、帰還鳩が嘔吐をしていた。
②早朝に鳩舎を見たところ、床や止まり木に餌が落ちていた。
③床にたくさんの餌が落ちていて驚いた。
④舎外の飛びが急激に悪くなった。
⑤餌食いが悪い鳩が増えた。
このような異常を観察した場合にはできるだけ早い治療が必要です。
→TCLに速やかに受診をしてください。早ければ早いほど回復が早くなります。
→少し症状が軽快してもレース参加は中止したほうが良いと思われます。
参考:アデノウイルス感染はもともと鶏の感染病だと思われます。
トリアデノウイルス(AAV)はグループⅠ、ⅡおよびⅢに分類される。グループⅠAAV のうち鶏か
ら分離されるものは鶏アデノウイルス(FAV)と呼ばれる。FAV は、筋胃びらん(AGE)、封入体肝炎
(IBH)、心膜水腫症候群(HPS)の原因となる。血清型は 12 種類知られており、AGE は血清型 1 ま
たは 8 との関連性が報告されている。AGE は、1993 年に初めて報告され、これまでに学会などで、
主に食鳥処理場での筋胃廃棄の原因として多数の症例が報告されている。
レース鳩の場合には鶏の重症例ほど重くはなりませんが、嗉嚢より下部にある筋胃や腺胃、下部消化管に炎症と免疫低下が起こり、嗉嚢に食べこんだ資料の消化が起こらず、食滞が起こるものです。病原性の細菌が腸内で増加して腸炎を起こして体調が悪化するようです。
出血性腸炎ウイルス(トリアデノウイルス 2 群)感染症も知られています。
タグ: アデノウイルス, ゲロゲロ, 嘔吐, 早期治療